症例2 反対咬合 61歳 女性
上顎、下顎ともに歯列はV字型になりとても狭くなっています。
特に上顎はV字型が強く下顎の前歯は上顎と噛み合っていないため伸び上がってきています。また小臼歯も舌側に倒れてきています。
奥歯は咬合の力の悪い力が加わっていて歯周病を起こしてきていました(咬合病)。
奥歯と前歯の調和が崩れるとこの症例のように歯周病が重症化してしまうことがよく起こります。歯周病の治療の中には、ブラッシングや歯石除去のほかに、歯にかかる力のコントロールをすることもあります。
治療前
この症例は、上下の歯列だけを広げたのではなく、上下の噛み合わせの高さも正常に戻していきました。上下顎ともゆとりが出来て、口腔内が広くなって発音もしやすくなったと言われています。
今回のようなケースは上下の咬み合わせの高さが低いために、機能的に反対咬合を起こしています。その改善のために積極的に咬み合わせの高さをあげる必要があります。その時威力を発揮するのが前述したマルチループというテクニックです。
通常2~3年かかる治療が1年2ヶ月で終わりました。
治療期間・・・1年2か月
治療後
患者さんは審美性の他にも発音や咀嚼機能も向上したと、とても喜んでいます。その後虫歯、歯周病治療を終えられてメインテナンスに入る時の様子です。