唾液は口の中をうるおして、食事や発声をスムーズにする働きがあるのはご存知かと思いますが、他にも消化作用、溶解作用、洗浄作用、抗菌作用、pH緩衝作用、保護作用、再石灰化作用があります。

特に、むし歯予防には抗菌作用、pH緩衝作用(唾液が酸を中和する力)、再石灰化作用は欠かすことができません。我々が日常摂っている食品は酸性の物がほとんどで、食事をするとエナメル質表面は脱灰されカルシュウムが解け出してしまいます。しかし、唾液中には、血液で運ばれたカルシュウムがあり、エナメル質表面はこのカルシュウムを吸収して再石灰化をし元どおりのエナメル質に修復します。

むし歯が一本でも出来たということはこの再石灰化のサイクルが行われなくなったということになりますから、唾液の検査をして再石灰化が破壊された原因を知って、むし歯にならないように生活改善をしないと、次から次へとむし歯を発症することになります。

抗菌作用を高めるには、唾液中のリゾチーム、ラクトフェリン、IgA(免疫抗体)などの濃度をあげる必要があります。それには普段からミネラルの多く含まれる食品を摂ることをお勧めします。

pH緩衝作用を高めるためには、飲食と飲食の間隔は3時間ほど空けることが理想で、その間に口に入れるのは水かお茶にするのが良いです。頻繁に食事をすると口の中はいつも酸性状態となりエナメル質はいつも脱灰されたままになり虫歯がどんどん進行してしまいます。飲食回数が5回を越えると虫歯になる危険が非常に高くなります。

唾液中のカルシュウム濃度を高めるには、小魚やチーズなどを意識的に取るのが良いでしょう。最近簡単に飲むだけで栄養のとれる食品やサプリメントが売られていますがこれらで食事を済ませてしまうと唾液の分泌が少なくなってしまいます。唾液は口腔内に刺激を与えることにより分泌されるので、咬む回数の少ない食事は唾液の持つ他の作用も引き出せないことになるので、身体全体のバランスを崩すことになります。

健康で、会話を楽しむ毎日が送れるように唾液力を高める食事とお口の健康を心がけることが大切です。