他の医院でインプラントを勧められたが・・？

院長の岩下です。こんにちは。

今日は、他所で抜歯をしてからインプラントをする治療を強く勧められて不信に思われた患者さんのケースを紹介します。

患者さんは４２歳の女性の方です。「上顎の右側の前歯が折れてしまった」と言われて来院されました。安易に抜歯してインプラントするのではなく、何とか抜歯をせずに残すことを試みました。しかし、歯の割れ方が根っこの先まで進んでいて、治療後の長期の安定を考えると抜歯した方が良いとした判断しました。根が割れて長期に炎症があると 支えている骨がなくなっているので歯ぐきがくぼんでしまいます。それでは審美的に困りますので、根を引っ張り出して骨を再生してから抜歯して、歯を抜いた部分の骨が痩せないようにしました。

隣接する歯にも問題があったためにインプラントではなくブリッジの治療方法を選択しました。インプラントであってもブリッジであって治療した部分が長期に安定して長く持つことが大切と思います。

外観では問題がありませんが、神経が抜いたままで補強されていませんでしたので、歯が割れてしまっています。

左側の歯です。患者さんにとっては右の歯です。

右側の歯も同じように神経を抜いたままになっていて補強されていません。また、根の消毒も不足していて、根の先が膿んでいました。この歯も将来が不安です。 この歯もきちん治療をやり直して支えの歯としました。

このレントゲンでは分かりませんが骨がなくなっていましたので、まだ生きている根の先の歯根膜細胞を使って歯を引っ張り出すことによって、骨の再生を行っています。

抜いた部分の歯ぐきもくぼまず、自然な状態に仕上がりました。歯自体の色も患者さんの他の歯とも調和しています。

安定して長く持つようにしました。この健康状態が続くようにメインテナンスを通じてお手伝いしていきますネ。