江戸時代の武士の入れ歯

大変興味深い記事を見つけました。江戸時代も前歯がないと外出するには困ったのでしょう。

よい接着剤がない時代ですから固定するのに一苦労だったと考えます。

武士も見た目が肝心!?

大阪の佐賀藩蔵屋敷跡から江戸時代の入れ歯

大阪の佐賀藩蔵屋敷跡から江戸時代の入れ歯

武士にとっても「歯は命」!? 大阪市北区西天満の佐賀藩蔵屋敷跡で、江戸時代後期(18世紀末)の入れ歯が、市博物館協会・大阪文化財研究所の発掘で見つかっていたことが分かった。当時、絵図などに「入れ歯師」という職人が記されるなど、入れ歯は比較的普及していたとみられるが、発掘で見つかるのは珍しいという。また現在と違って食べるためではなく、藩士が見栄えを気にして装着していたとみられることも分かった。

同研究所によると、出土したのは、上の前歯5本分の部分入れ歯(幅3センチ、高さ1・3センチ)で、完全な状態だった。滑石を加工し、入れ歯の側面には穴が開けられ、糸を通して隣の歯に結びつける形で固定したらしい。糸だけではぐらついて滑石自体も柔らかいため、実際に噛むのは困難とみられ、食べるときには外し、外出時などに装着していたとみている。

調査担当の市川創学芸員は「武芸の稽古などで前歯を欠損した武士が、入れ歯を着けたのかもしれない。実用性より、見た目を気にしていたようだ」と話している。

入れ歯は平安時代末ごろから作られ、現存する最古のものは、和歌山市内の寺院に伝わる室町時代末(16世紀前半)の尼僧の入れ歯といわれる。江戸時代に普及し、歯茎の部分を木、歯は木や滑石、骨などを加工。古事記研究で知られる国学者の本居宣長(もとおりのりなが、1730~1801年)も愛用し、知人への手紙で「入れ歯致し申候。口中心持わろくもなき」と、着け心地がよかった様子を記している。

 

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