歯学の進歩

歯周病学会に行ってきました。興味をもった発表について話します。

近年、再生治療が進み、歯科の分野においても失ってしまった歯槽骨(歯を支えている骨)の再生が可能となってきています。そのためには、3つの因子が大切です。

「細胞」「成長因子」「足場」です。この3つを利用して再生を行います。組織が無くなっていますので、再建するには、現在、エムドゲインというブタ由来の成長因子や足場としてカルシウム剤などを用いています。

無くなった組織を再生するには、自分の細胞、それも生きた元気な細胞を用いることが最良です。

それも大量にです。組織工学(ティュシュエンジニアリング)とは、工学的技術を応用して組織・臓器を再生する学問です。

この組織工学を歯周病治療に応用してすばらしい結果の報告がありました。東京女子医大の先端生命医科学研究所の岩田先生の発表です。女子医大は、細胞シートを用いた再生医療では世界のトップの研究と臨床を行っています。この治療方法が確立され、近い未来に歯科医療機関でも普通に行われて、患者さんの利益となることを希望します。また健康保険が適応され、誰でもがその恩恵を受けられることも必要と考えます。

歯学の進歩

歯学の進歩

歯学の進歩

写真の左端の第二大臼歯はホープレスな状態です。治療としては「抜歯」しかありません。

世界中の歯科医師でも、以前は治せる歯科医師はいませんでした。

治せない病気が治せることができる時代がやってきました。大きな感動があります。この分野で、世界を牽引し、アベノミクスの「成長戦略」として、世界で戦える経済効果になってほしいとまで考えました。