矯正治療をする上で抜歯が必要と言われました

9歳のお子さんが「歯並びが心配」とお母さんと共に来院されました。口腔内を見てみますと、確かに乱ぐい歯の傾向があるようです。

矯正専門の先生に相談もされたようです。矯正の先生からは「抜歯が必要」と言われたとのことです。

矯正治療前

不正咬合の“芽”をどう診つけ予防するか

矯正治療は「噛み合わせの治療」であります。

難しく書いてしまいますが、形態的な(見ただけの)不正よりも機能的な(成長発育のダイナミックな動き)不正の“芽”を診つけることが大切です。

単に見かけの不正や審美的な問題のために、抜歯をするのではなく、子供の生涯にわたる生存をかけた適応を導くという目的で診査・診断を行わなくてはいけないと考えています。

実際にこのお子さんのケースにおいては、噛み合わせの検査を行いました。

それによって不正咬合を起こした原因が、第一大臼歯の高さと傾斜であることが分かり、噛み合わせの高さが足らずに成長しておりましたので、乳歯を利用して高さを回復させ、不正咬合の要因を改善することによって、正しい成長へ導いています。

見ていただいてお分かりのように抜歯はせずにきれいに歯は並んできています。

矯正治療後