痛くならないために行く歯医者

歯科の名医とは何でしょう?

入れ歯が上手な先生ですか、きれいな差し歯のセラミックを作れる先生ですか、最近はやりのインプラントセンターの先生でしょうか?

患者さんの本当の気持ちは「歯医者は行きたくない所」が本音でしょう。それは歯医者に行くのは、多くの場合は治療で通うからです。

歯の治療は痛みを伴うことが多い処置です。しかし、病気予防のメインテナンスは痛くありません。虫歯と歯周病の発症は、細菌の感染です。

原因は分かっています。予防することが可能です。患者さんの歯を守ることができるのが、真の歯科の名医ではないでしょうか。

疾病に対する医療行為とは、疾病に対する概念と治療に対する明確なガイドライン、さらに疾病に対する予防の確立ができて初めて完結すると言われています。

先日のNHKの熊谷先生の話に、多くの国民は共感と感動があったかと思います。

熊谷先生の言われる「歯を削ることは歯の寿命を削ることに等しい。そうならないためには、虫歯の発生、やり直し治療の根本的な原因を突き止めることが大切」は当然のことです。

熊谷先生の活動は、日本の歯科界への提言であり、鎖国時代の「黒船」であると思います。熊谷先生の疫学研究を手伝いながら、日本の歯科に予防やメインテナンスの重要性が浸透すること望みます。そのことによって、医療費は少なくてすみ、健康な歯が残り、高齢になってもQOLの維持が可能です。

いろんな病院がある中で、歯医者だけは1番苦手と言われるの声もよく聞きます。虫歯は科学的に予防できる時代になってきています。

歯医者は痛くなったから通う所ではなく、痛くならないために通う所に変わってきています。