矯正治療には大きく2つの方法があります。

1つは抜歯(歯を抜くこと)をしないで歯全体をきれいに並べていく方法です。もう1つの方法は抜歯して歯を並べる方法です。よく例えられる話ですが、「4人がけのソファーにお相撲さんが4人座ろうとしたら狭すぎませんか?」です。抜歯治療は歯を間引いてゆったり座ろう、という発想です。

それぞれの歯には固有の機能があります。矯正治療は「噛み合わせ治療」であり、患者さんの個性に調和した長期に安定した咬合が目標となるべきです。抜歯するにはそのマイナスを上回るメリットが必要です。

矯正学も進化してきています。先ほどのお相撲さんの理論は過去の理論になりつつあります。、現代の目標とする噛み合わせは「患者さんの骨格に調和した咬合」とする生理的な考えに移行しています。また、材料も進歩しています。

歯は歳をとった時を考えて、少しでも歯が残っていた方が有利です。1本でも多くの自分の歯を大切にしていきたいと思うのは万人の気持ちです。また、健康な歯を抜かなくてもよいので安心です。

矯正治療の例

治療例をご覧ください!

「歯並びがとても気になっていた」と来院されました。

この患者さんはデコボコの歯並びに加えて、顎関節も「口を開けるとカクカク音がする」という症状がありました。なぜデコボコの歯並びになってしまったのでしょうか?顎に音が鳴るようになったのでしょか?そこを解決して長くに安定させるのがゴールであるべきです。

矯正治療では、「日本人は顎の骨が小さく、あるいは歯が大きすぎて、全部収まりきれない」という考えのもと、抜歯が多くの場合行なわれています。

下顎はかなりデコボコしていますね。前歯の機能が発揮できずに顎に負担をかけていました。

治療前

装置を付けてから8ヶ月が経ちました。

下の前歯は歯の列に収まっているのがわかります。

後は微調節といったところです。もう一息です!

顎の症状もなくなってきました。

治療途中

この患者さんは小学校のころから歯並びを気にされていました。コンプレックスが自信に変わるって、すごいことだと思いませんか?

矯正を望まれる方のほとんど全員がご自分の歯並びにコンプレックスを感じていらっしゃいます。矯正を終了された方からよくいただくお声が「コンプレックスがなくなった、むしろ自信になった」というお言葉です。自分にとってマイナスの価値でしかなかったお口が、逆に誇れる部分になっているなんて素敵なことと思います。

12ヶ月で矯正が終わりました。患者さんも治療結果にとても満足されています。

12ケ月の矯正終了時