またもう1人 虫歯のない中学生 誕生!!

15年ほど前に、ワシントン大学で予防歯科の講義を受けました。その時に、「本来、虫歯は出来にくい病気である」と聴いた言葉が忘れられません。齲蝕学(虫歯学)は、約25年前の大学の講義では歯質・細菌・食生活の3つが重なると出来ると習いました。しかし、現在では、虫歯学の研究は進み、唾液の因子・細菌の種類の因子・フッ素の因子も加わり、トータルでコントロールしていくものに変わってきています

予防歯科の先進国 スウェーデン では、これらの因子を唾液を使って測定し、各々の患者さんの口腔内に合わせた予防プランを作り、良好な結果を出しています。岩下歯科医院も スウェーデンのマルメ大学の「科学に基ずく予防歯科」を約10年前より取り入れ、希望する患者さんに行ってきました。その結果も、とても良好なので症例を通して報告します。

患者さんは、初診時5歳の年長の幼稚園の女の子です。「虫歯がたくさんできた」といって来院されました。口腔内を診てみますと、ほとんどの歯が虫歯になってきました本来、虫歯はできにくい病気である」ことを伝え唾液検査を行い、この子に合った予防プログラムを作って 実践してきました。患者さんと共に虫歯を抑えることを始めました。

3ヶ月毎の予防メインテナンスを行い5年目

3ヶ月毎の予防メインテナンスを行い5年目です。4年生になりました。虫歯だった乳歯は抜けて、健康な永久歯へと生え代わってきています。治療で通うのではないので痛みはなく、歯科がきらいなお子さんでしたが、試験や旅行の都合で4ヶ月くらいブランクが空いたことはありましたが、頑張って通っています。

中学1年生

中学1年生になりました。すべて永久歯に生え代わりました。多少の歯列不正はありますが、健康な虫歯のないお口になりました。初診時はすべての歯が虫歯になってしまいましたが、原因を調べて予防を行っていけば 虫歯なし (専門的には カリエス フリー と言います)はとても難しいことではありません。今は初期虫歯なら、削らなくて再石灰化を促進することを考えます。歯を削る医療ではなく 歯を守る医療が出来たときには、患者さんも喜んでいただけますが、私や衛生士はじめスタッフ一同も 嬉しさと達成感があります。

健康な虫歯のないお口になりました