歯が割れたと来院

今日は「歯が割れて折れてしまった」と来院されたケースについて報告します。

上顎左側の前歯が根本から折れています。写真で見てお分かりと思いますが、黒い部分は虫歯です。その虫歯が歯ぐきの下まで進行しています。神経が無い歯です。痛みはありません。このままの状態で土台を立てて歯を被せることはできます。しかし、虫歯が進行していて歯ぐきの上に健康な歯の部分が無い歯は、同じように外れやすいので注意が必要です。

3つの注意があります。①歯ぐきの下まで進んだ虫歯を完全に取り除く②治療後に歯ブラシがしっかり歯に届くようにする③被せる冠が残存歯質の部分を支えている。これらを改善するために、歯を引っ張り出し健康な歯質を歯ぐきの上に現せる治療を行うことが有効です。

このような状態を残根と言いますが、残根状態の歯は今後あと何回も治療できません。次回問題が起きた時はさらに状況は悪く、抜歯になってしまうかもしれません。抜歯となってインプラントになるよりも歯を長期に残すことが大切です。

患者さんに理解していただき、部分矯正で歯を引っ張り出しました。

前歯が歯ぐきの部分から割れて来院

前歯が歯ぐきの部分から割れて来院されました。

黒く変色している部分は虫歯

黒く変色している部分は虫歯です。神経はありませんので痛みはありません。

部分矯正

部分矯正を行い、歯を全体に引っ張りだしました。

健康な歯質が現れてきます

その後、歯ぐきを元の位置に戻すと健康な歯質が現れてきます。歯肉の下に進行した虫歯も完全に除去できます。

抜歯せず長期に健康を保つことができます。

仮歯を置いて歯肉の安定を待っています

仮歯を置いて歯肉の安定を待っています。