歯肉炎、それとも歯周炎?

歯を支えている組織の病気を総称して「歯周病」と呼んでいますが、病状の進行度合いによって、「歯肉炎」と「歯周炎」とに分けて捉えています。

歯肉炎

まず「歯肉炎」ですが歯周病の初期症状です。歯を支えている骨は溶けてはいなく、歯ぐきの腫れだけですんでいます。歯と歯ぐきをピッタリと付着させている構造も破壊されていません。専門的には「付着の喪失」はないと言っています。ですので、歯磨きで細菌を減少させ簡単な歯石取りを行えば、みるみる元の状態に戻ります。

歯周病

しかし「歯周病」は、歯を支えている組織の破壊が進行している状態を示します。「付着の喪失」が起こっています。歯磨きと歯石取りで細菌を減少させますが、これだけでは、「付着の喪失」の回復や骨の再生は起こりません。ただし早期に気づいて炎症をストップさせ、再発予防の自己管理とメインテナンスを維持すれば、ある程度の回復は起こります。

現在は「再生医療」があります。日進月歩で進んでいます。10年前では治せなかった喪失した付着の再生も可能な時代になりました。悪化して治療が介入するよりも悪化させないことが大切です。歯周病は慢性疾患でありますので、メインテナンスを維持すれば、歯をしっかり守っていくことができます。

歯周病の図