むし歯予防が意味するもの
むし歯になる原因には、むし歯菌の存在、唾液の質、唾液の量、食事の回数、歯の磨き方、フッ化物を使用しているかなどがあります。
自分の口の中にむし歯ができたということは、このような原因が複雑に絡み合ってできたということになります。したがって歯を徹底的に磨けばむし歯にならないかというとそういうことではありません。食事の回数が多かったり、砂糖の摂取量が多いとむし歯になります。逆に歯磨きはほとんどしないが虫歯が一本もないという人もいます。唾液の質が良くて中和力が強く、唾液量の多い人はむし歯になりにくくなります。またこういう人は食事の回数が少なくよく咬んで食べている人が多いです。
むし歯のところを削って詰め物やかぶせ物をするとこれで治療が終了したと思いがちですが、一度削って詰め物をしたり、かぶせ物をした歯は自分の歯より数倍むし歯になり易くなるため、むし歯を再発することになります。今度は神経を取らなくてはならなくなってしまいます。いちど削った歯の寿命はおおよそ50年といわれています。80歳で20本自分の歯を残すためは一度口の中の検査を行い自分の口腔内の現状を把握し、正しい予防法を知ることが大切です。
実際に、唾液検査を行うと、砂糖の摂取量の多い人、食事の回数の多い人、虫歯菌の多い人、唾液量の少ない人など様々です。砂糖の摂取量は一日30gが目安となります。一度食事をしたら、次の食事をするまで2~3時間空ける必要があります。食事をするとpHが下がり回復するのに20分位かかります。さらにエナメル質の再石灰化(歯を修復する働き)が行われるのに40分位が必要となります。何か食べたくなってもつぎの食事をするまでお茶や水で済ますようにすると、ダイエットにもなり身体にはよいのではないでしょうか。身体全体の栄養バランスを考えて、規則正しい食生活を行えば、自然にむし歯予防ができます。